■唯一軒で守る伝統の飴づくり | |
しかし五百年以上の歴史を持つ松波の飴も、三十年前には一軒のみになった。三代目のヨシ子さんを、千四吉さんが継ぎ、今は二人で釜場を守っている。 千四吉さんは大釜で煮詰まる飴をしゃもじで何度もすくっては、色と粘り具合を見計らう。ヨシ子さんが冷水にひとしずく落とし、小さく丸めた飴は、透明な金色に美しく輝いた。出来立ての柔らかな甘さは限りなく優しい。 (文は横井商店のパンフレットから引用) |
|
|
■きれいな照りで健康的にお料理上手 | |
また、生の大根の輪切りに飴を乗せて浸けておくと、汁が出る。風邪でのどが痛いときに、その汁を飲むのは昔ながらの知恵。 妊婦さんへのお土産として今も人気なのは、こうした使い方があるため。知恵と技が詰まった懐かしい味は、親から子へと受け継がれた昔ながらの製法と手仕事によって守られている。 (文と写真は横井商店のパンフレットから引用) |
|
|
■テレビ朝日・食彩の王国「水あめ」で放送-伝統製法 | |
テレビ朝日『食彩の王国』番組ロケに同行して訪れたのは、石川県鳳珠郡能登町にある小さな集落・松波。この地は500年以上の歴史を誇る水あめの産地だが、今もなお伝統製法でつくるのは「横井商店」の一軒のみ。暖簾を守る横井ヨシ子さんに話を聞いた。御歳90歳、現役である。 「毎回、同じように『じろあめ』をつくりますが、同じ味になることは、まずありませんねえ」 サウナのように暑い工房の中、大きな釜をかき混ぜながら、平然とした様子でヨシ子さんは言う。 「じろあめの甘味は米の甘味です。米質が違えば甘味も違うでしょう。添加物も使っとりませんから、米の味がそのままあめになるんです」 原料は米と大麦だけ。米は蒸し、大麦は発芽させて、粉状に挽いておく。これを湯とともに混ぜ合わせ、一晩発酵させれば、米のでんぷんが糖化し、甘味のもとになる。そして翌朝、漉して取り出した搾り汁を大釜で煮詰めること約5時間。トロリと號珀色の水あめが出来上がるのだ。 (文と写真は「食彩の王国を読む」64から引用) |
|
|
■テレビ朝日・食彩の王国「水あめ」で放送-温度 | |
「とても原始的な方法ですが、だからこそ米の旨味を湛えた風味を醸すことができるのかもしれません。素朴でやさしい甘味。このあめにしか表現できない味わいを、これからも守りたい」 そもそも同地では、砂糖が手に人らなかった時代、各家庭で水あめをつくっていたという。手前味噌ならぬ手前水あめ。長きにわたり貴重な甘味料てとして人々の食卓を支えてきたのである。 (文と写真は「食彩の王国を読む」64から引用) |
|
|
■テレビ朝日・食彩の王国「水あめ」で放送-調味料 | |
「水あめは体にすっとなじむような甘味の持ち主です。しかも独特の風味があるでしょう。単なる甘味というより、料理やデザートの味わいをより深く、まろやかにしてくれる調味料だと思います。」 そんな主人が今回、紹介してくれたのは"かぼちゃと里芋の田楽"だ。ポイントは味噌づくり。通常なら白味噌に卵黄、酒、そして砂糖を加えるが、主人は水あめを使用し、弱火でじっくり練り上げた。これが、だしで炊いたかぼちゃや里芋の甘味をぐっと引き立てる。頬張るとまろやかでやさしい旨味が、口一杯に広がった。 そういえばヨシ子さんは言っていた。「不思議だねえ、私らが日常的にこさえるもんが、こうやって有名になるなんて」。心にしみる言葉である。 (文と写真は「食彩の王国を読む」64から引用) |
|
|
■テレビ朝日・食彩の王国「水あめ」で放送-田楽づくり | |
◎つくり方/(1)かぼちゃは食べやすい大きさに切り、皮をむいてだしで炊く。柔らかくなったら味醂と醤油で調味する。(2)里芋は皮をむき、水でゆでて柔らかくなったらだし、味醂、醤油で炊く。(3)田楽味噌をつくる。鍋に白味噌と卵黄、酒を入れてよく混ぜたら弱火にかける。そこに水あめを加え、練るるようにさらに混ぜる。(4)@とAの上部分にBの味噌を塗り、@に白胡麻を、A煮は実山椒を散らす。(5)200℃のオーブンで5分ほど焼く。味噌がこんがり色づいたら完成。 (文と写真は「食彩の王国を読む」64から引用) |
|
|
■テレビ朝日・食彩の王国「水あめ」で放送-炎とコラボ | |
水あめが柔らかくなることで全体が一体化し、よりまろやかに仕上がります」と珠洲市の料理店主。 弱火で徐々に加熱しながら水あめと味噌を混ぜていくことで、舌ざわりもなめらかな仕上がりになる。 (文と写真は「食彩の王国を読む」64から引用) |
|
|