所在地
  石川県鳳珠郡能登町
  字鵜川22-28
  のと縄文工房
  電話0768-67-1227

縄文焼館


縄文焼/のと縄文工房
山中梅峰さん

 「地域の人に縄文焼をもっと知ってもらいたい」と話す山中梅峰(山中武雄)さんは、86歳となった今も現役の陶芸家として日々作品づくりに励んでいる。
 山中さんと陶芸との出会いは22年前、誘われて数回通った陶芸教室だった。2年後に初めて野焼きを行った山中さんは「自分の作品が焼き上がって出てきた時は本当に感動した。その時、これは町の活性化につながると確信した」という。
(文と写真は町の広報誌「広報のと」第23号より)

縄文焼に取り組む
ランプシェード

 縄文焼への取り組みをはじめた山中さんは、平成3年に自宅横の空き地に創作活動と野焼きができる施設【のと縄文工房】を建設し、仲間20人とともに活動を本格化させた。そして県内外の展覧会に出品を重ねた。
 「展覧会に出品し、外での評価を高めることが縄文焼を認めてもらう一番の方法だと信じていた」という。
 その山中さんの努力は、数々の受賞によって証明される。平成15年にはフランスの展覧会にも出展。平成18年の美術年鑑にもその名を連ねている。
(文と写真は町の広報誌「広報のと」第23号より)

創作意欲
製作中

 「今後は出展を後進にゆだね、縄文焼を広げるための活動に注力したい」と話す山中さんは、来年の「縄文工房祭」での新たな企画を考えている。
 「たくさんの人に縄文焼でランプシェードを作ってもらい、工房の前の川沿いに並べようと思っている」とのこと。現在は会員とさまざまな案を出し合ったり、学校や各種団体に話を持ちかけている段階ということだが「手応えはあるし、必ず成功させたい」と力強く話す。
(文と写真は町の広報誌「広報のと」第23号より)

生涯現役
土器

 定年退職してから陶芸を始めた。それまでは一切やったことがなかった。
 能都町の社教で陶芸教室を始めた際に、誘われて参加した。翌年、「能都町の作陶グループを作らないか」と言われ、鵜川の公民館長だったので、「名前だけならやります」と、会長を引き受けた。でも、責任もあるから放っておけなくて、ずっとやってきた。地元で陶芸をされているのは20名ほど。
(文と写真は「能登お店の物語」より)

体験教室も開いています
制作風景

 教室も開いている。体験の人数が少ない場合は工房で行い、何十人となれば青少年ホームで行う。京都女子中学の生徒さんが来た時は体育館で行った。
「わたしも最初は人に誘われた身だったが、だんだんと縄文焼に誘われて深みにはまっていった。たくさんの人に体験してもらうことで縄文焼の魅力は必ず伝わる」という山中さん。これからも【縄文焼で町おこし】という夢を追い続ける。
(文と写真は「能登お店の物語」より)

縄文焼の特徴
野焼きの炉と煙突

 縄文焼きに合う粘土「縄文粘土」を作っていただいている。デザインも特徴があるが、焼き方も違い、一度素焼きをします。
 普通の焼き物は800度ぐらいだが、私らのは980度から1000度近くで焼く。そうすると丈夫になる。その後、もみ殻を燃料に、野焼きを行います。いきなり野焼きすると割れやすい。本来の縄文焼きは時間をかけて、草や木を燃料に焼いたんだと思います。
(文は「能登お店の物語」より)

古くて新しい「縄文のあかり」
あかりフェスティバル
 「ランプシェードで縄文ロマンを感じて欲しい」という一人の芸術家の強い想いが620個の灯りとなり鵜川の町を幻想的に彩った。
 縄文焼を制作する「のと縄文工房」は、毎年工房で開催していたイベントを「のと縄文あかりフェスティバル」と一新し、8月4,5日に開催した。工房の前を流れる山田川沿いの道に縄文焼のランプシェードを並べ、新たな町おこしにつなげたいという試みだった。
 町内の学校や地域の人の協力を得て、集まったランプシェードは予想を超える620個。約1qにわたって道路の両脇に並べられた。
 すべてが手作りのイベント。オレンジ色の光は、訪れたたくさんの人の心にも温かい灯をともしていた。
(文と写真は町の広報誌「広報のと」第31号より)

縄文焼の原型/縄文土器
縄文土器
縄文時代の土製仮面

 写真左は縄文中期の「宇出津式土器」、右は真脇遺跡出土の土製仮面

 (写真は「能都町史」第五巻より)

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